2008年04月29日

11eyes -罪と罰と贖いの少女-

11eyes -罪と罰と贖いの少女-
11eyes -罪と罰と贖いの少女-
メーカー Lass発売日 2008/04/25
シナリオライター LEGIOん、剣技マナ、獅子雰麓 原画 萩原音泉、ちこたむ、小沢悠、鳴海ゆう、KENGOU、ぞうあざらし
11eyes

レビュー
シナリオ グラフィックス 音楽 文章(力) システム 熱中度 余韻度
4 3 3 5 2 5 4
総評 A 80

一言で締めるのコーナー
牡籥かぎかけとざ総光そうこうの門―――」
※皆も一緒に、両指開いて眼前で前後に交わそう


以下詳細レビュー
シナリオ 4点

 大絶賛。

 主人公と幼なじみは、突如、現世から切り離された『赤い夜』に取り込まれる。
そこには異形の化け物が跋扈し、血肉を喰らおうと襲ってくる。
死を覚悟した瞬間、彼らは現世へと帰還する。
『現世』と『赤い夜』を交互に過ごすことに主人公らの命運やいかに・・・・・。

 と、最初の2時間程度プレイしてみると、突拍子も無い設定で、「ありえねぇよ」と一蹴してしまいそうだし、
いい感じで主人公が厨二病で屋上で浸っているので嫌になってきますが、
メインヒロイン、草壁 美鈴の登場から劇的に面白くなります。

 やはり今作のポイントは、著者の見識、下調べによる、卓越したユーザー導入にあると思います。
『赤い夜』に違和感絶大でも、美鈴先輩が懇切丁寧に呪術・魔術解説を展開してくれると、それだけで物語にゾッコン。
世界観を容認できる人だけに楽しめる、ではなく、世界観を容認させてくれた上で楽しめる物語。

 全体のシナリオは、共通シーンが95%を占め、キャラシナリオは空気。
クロスビジョンというシステムで、他者視点を楽しめるが、分岐がほとんどなく、EDの各語りがないためこれも空気。
サブキャラや、非攻略キャラの後日談やら色々と見たかった。ファンディスクに期待?
ちなみに非18禁でいけそうなくらいに、Hシーンがとってつけたような感じです。

 この作品、主人公が猛烈に厨二病で気持ち悪いのですが、
シナリオ構成が上手く、某武器とのえにしが強く、その伏線もちょこちょこ入ってくるため、
ユーザー共々盛り上がり、「走れ○○!」とか言いたくなります(ぁ
その某武器自身も絵受け・ユーザー受けが非常に良く、決して最強ではないものの、描き方が無二の相棒刀。
美鈴先輩自身の造詣と関係性が深いため、主人公とあわせてベストカップル。

 一周目は美鈴先輩ルートを強くお勧めします。

※以下キャラ(シナリオ)別レビュー。(Trueがないので個別は任意で終了可能)

草壁 美鈴(CV:はるか)
真ヒロイン。 正義レッド。 美しくもカッコいい。 名(難読)台詞多数。
若干ツンデレの気があるが、ただの潔癖症か。 常に(シナリオ)優遇されてるが、活躍ありきなので納得の人。

なんとかゆか(CV:安玖深 音)
足手まとい→知能障害→邪魔→○○デレ→存在の価値なし、という進化をとげる。
幼馴染だが、いてもいなくても関係ない最低の人。シナリオも完全に空気。

広原 雪子(CV:みる)
同社のマスコットキャラ「広原一族」の一人。 マシンガントークと雑学ネタは劣化月子。
絵が酷く、四肢のバランスに目も当てられない。感動の挿入歌も だ い な し だ ぁ。
シナリオも、キャラクターの個性も、空気となっているため、いらないキャラ二号。

なんとか菊理(CV:???)
なぜか普通の学校に通っている、エロゲ設定な緘黙のお姉さん。
彼女だけ設定が完全に無視されてて、理由付けも一切なく、しかも○○ネタなので好き嫌いが分かれるかと。

百野 栞(CV:井村屋 ほのか)
シナリオは存在しないが、(一番濃い)Hシーンがあるお方。 とことん空気。
本当にシナリオがないので、彼女を攻略する場合は菊理先輩と同時攻略推奨。

田島 賢久(CV:森久保 祥太郎)
どこをどう聞いても森久保さん。キャラは非常に良い。不良な良い人。
のに、一番不遇なキャラシナリオ。

リゼット(CV:RINA)
水晶の中の人。 キャラデザが非常にエロ萌えだがシナリオは存在しない。
デモベのアル・アジフと何とか党を足したように見えるのは私だけ?

グラフィック 3点

 まず最初に思ったのが、『黒騎士』のデザインが、金子 一馬じゃね?、ということ。
某デザは、ぞうあざらし、という方で全くの別人だそうです。
中の発言でも『ペルソナ』発言ありましたが、ちょっちメガテン、DDS寄りなのには違和感有り。
いや、カッコイイですけどね。でもアワリフィア様の空気っぷりは凄い。

   他のキャラクター原画ですが、まぁ、うん、五人いらっしゃって受け持ちがバラバラなわけですが、
雪子が圧倒的というのが。 某感動シーンの影絵も最凶です。
全体的に立ち絵が丁寧に違和感を抑えた仕様な分、一枚絵で各原画さんの癖が大きくでてしまっています。
しかも、一枚絵の方が上手かったりするのだから実に惜しい。
戦闘は一枚絵の拡大、回転、振動、エフェクト合わせと、多彩に魅せてくれます。

 凝った演出、ということでしたが、立ち絵の総数が多い、というだけに感じました。
さすがにFateのようにブンブン動いたりはしません。

 
音楽 3点
 坂元昌一郎さんソロ製作ということですが、
BGMとSEの同時作製は厳しかったのか、剣戟、鍔迫り合い等のSEが少なく聞いててガックリします。
BGMにこれといった名曲はないが、赤き死のワルツを始めとするバックコーラス曲が奇曲な雰囲気で良い。

 OPのLunatic Tears…は聞く分には名曲ですが、(例のひぐらし、彩音さんですし)
他で一切使われません、挿入歌も絵で盛り下がり。

 全体的に曲の使い方が悪いと感じました。instrmentalでも、OP曲でも、ガンガンいこうぜ!!だと良かったです。

文章(力) 5点
 語彙力に脱帽。 熟語しかり、当て字しかり、詠唱しかり。
日本人に生まれてよかったと思える一時というのは、日本刀の解釈に憧れ聞ける所でしょうねぇ。
その他、天地開闢説から記紀神話、プラトーンの説から五行思想、さらには名刀解説まで。
大きく区分けするなら、西洋魔術から東洋陰陽術までガッツリ網羅。
自力と地力と実力じつりきを見せられては感服するほかありません。

 また、多分に才能がもれ出ている、日常のウィットのきいた会話を素晴らしい。
オナニーの起源を(悪友が)語りつつ、誤謬だと真説を説くとか、どんだけですか。
バカっぽい匡・森久保さん・主人公も存分に知識人ネタを披露してくれます。

 戦闘描写は、うん、これで良かった感情的背景描写。
下手に剣筋やら流派太刀ネタをいれたらアリスマチックの二の舞ですから。
語彙十分のおかげで迫力と過熱さ満点。

 意外にもパロネタが入っており、ひぐらし・ロミオ・ガンダム・マチコ先生などなど
笑いもとれて十二分に楽しめます。
やはり、日常と非日常のメリハリの効いた舞台を仕上げたのが素晴らしかった。

 Hシーンは他の方が書いていらっしゃるのか、LEGIOん氏にはありえないほどのミスがあった。

システム 2点
2008/05/06改訂

 他者視点を楽しめるクロスビジョンは使い勝手が悪く、解禁場所が把握しにくいです。
また、主人公視点もクロスビジョン可能ですが、その地点にジャンプできるわけではないのが惜しい。

 前後選択肢にジャンプ可能。
・・・・・2点は通常スキップ使用時なので、これだと総合点あがっちゃうんですけど。
元々総合高いので、他の項目に分散加算して極限までに収まったということで。

 セーブ箇所は非常に多く安心。
ただ、二択BADENDがほとんどで、3daysみたいに痛い描写が意図的に削られたのも勿体無い。

熱中度 5点

 長さが気にならないほど熱中できます。
恐らく、普通にプレイする場合、一周20時間〜30時間かかるでしょうが、飽きることなく全力疾走できます。
幼馴染にムカついても、美鈴先輩と森久保さんが癒してくれます。

 ちょっちどころか、恋愛要素がばっさり切り取られて、最後にくっつけられている感じなので、
それを是とするか、非とするか・・・・・・。

余韻度 4点
 ラストがとっても、あちゃぁー、な感じですが、やはりそこまでの道筋が良すぎましたか。
失速するのではなく、途端に墜落したままENDになりますが、一瞬ですので気になりません。
精神的に痛かったりは全くしないので安心。

   全体が非常に濃い"楽しさ"を提供してくれ、シナリオも十分、傑作といわずして何と言おう。
キャラシナリオが空気ですが、そこらへんは美鈴先輩シナリオだけクリアして、菊理先輩で(一応)補完でおkです。
中盤から終盤にかけての美鈴先輩と某武器との縁は、ユーザーの心を鷲づかみにしてくれるでしょう。
友と明日のために駆け上がれ――――這い上がれ―――

総評 A
 おめでとうのA評価。
意外にもギャルゲー要素が皆無で、移植を狙ったかのような付属的Hシーン。
その代わり、熱狂のバトルシーンと、識度MAXでお送りする、友情熱血逆転ADV。
潤沢な筆力により、シーンの描写が鮮烈・洗練されており、どのシーンでもガツガツ読めます。

 私自身、主人公の某武器に(某文献の影響で)妙な思い入れがあったので1.2倍楽しめました。
ただ・・・・・・このゲームをプレイすると、伝記ADVやファンタジー系ゲームの文章の敷居が高くなって、
他のゲームが楽しめなくなるという弊害が起きます(笑
同時期アルトネリコ2消化してましたが、ゴミすぎてやめたくなりました。

 プレイ後、千鳥や千鳥――伊勢の赤松を、とか、十五雷正法二直じゅうごらいせいほうにちょく――禁!、と言いたくなるのはご愛嬌。

 ファンディスクは、スペルビア恋路坂や、リゼット睦言語録、とかお願いします(死



posted by PP at 09:36 | Comment(5) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日、私はグリーン・グリーン をやりました。
某ルートでは、涙腺爆発でした(大涙)

「グリーン・グリーン 」をプレイして欲しいっす。
是非、レビューを!

もし涙腺爆発ゲームがあれば、教えて下さい。
Posted by 謎の30代 at 2008年05月01日 19:27
>>謎の30代

 グリグリ、検討しておきます。いや、体験版で斬ったクチなので(汗。

 私が泣くのって限られてるんですよね、動物モノか、元気ダマ系(みんなの力をわけてくれ)か、大冒険のポップ系。
 最近泣いたのは、「リトルバスターズ! 」、ですかね。うん、レビューではひっちゃかめっちゃかですが泣いたことは確かです。
 ギリギリ泣けなかったのは、「Ever17」の某BadEND後のタイトル画面のKarma。あと「メモリーズオフ(初代)」の・・・・。
 全然関係ないですが、「大神」は普通にホロリ。既に条件付けされてるためか、「燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2」Believeでは毎回泣きます。
Posted by 管理人 at 2008年05月03日 00:05
検討して頂けて有難う御座います。

私がプレイしたのは、
@双葉ルート
Aみどり(ちとせ)ルート
B早苗ルート
です。

他にも複数ヒロインがいますが、とにかくBは最後の攻略が良いと思います。
個人的には、@・Aはそれほどでもって感じで、厳しい評価だと合格点ギリギリ、またはそれを下回るかもって感じです。
(作品自体が悪い・良いと言う意味でなく、他の作品でもこのレベルの作品・ヒロインはあるかもって意味の相対評価で)
しかし、Bは・・・・。

もちろん、ヒロイン攻略順番は「管理人」様のご自由になさって下さいね。


最近泣くこと(映画・ドラマ・小説)が全く無いので、ゲームであるかなと思って探してやってみたゲームです。
かなり評価が分かれそうな作品な気がします。

ご紹介頂いた「リトルバスターズ! 」、やってみますね。
有難う御座いました。
Posted by 謎の30代 at 2008年05月05日 10:19
えと、スキップ遅いですけど、
次の選択肢にジャンプの機能があったんでそこまで時間はとられませんでしたよ?
まあ、流れ覚えてないと色々とアレですけど、ぶっ通しでやる分には。
Posted by Richard at 2008年05月05日 23:27
>>Richard

 既に手元に無いので確認できませんが、完全に見落としていました。ご指摘ありがとうございます。訂正しておきます。
Posted by 管理人 at 2008年05月06日 09:03
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