2008年03月09日

トリノホシ 〜Aerial Planet〜

トリノホシ 〜Aerial Planet〜
トリノホシ 〜Aerial Planet〜
開発 エヌケーシステム発売日 2008/02/28
シナリオライター 原画 山口悠一
トリノホシ

レビュー
シナリオ グラフィックス 音楽 文章(力) システム 熱中度 余韻度
4 2 3 4 4 5 5
総評 A 79

一言で締めるのコーナー
「どう考えても名作」
※全ルートクリアしました
※『絶望』は本来の意味と代名詞との二種類を混同して使っています

以下詳細レビュー
シナリオ 4点
 癒しゲー? スカイアドベンチャー? いやいや。

絶望ゲーです

 操作性を踏まえると、トリノホシではなく、
スカイ・クロラ〜ナウシカですら絶望する〜
と言っても過言ではありません。

 舞台は、夏の大三角形が一つデネブに近いG型恒星(太陽)を廻る惑星「コニウス・ブルー」
地球から三千光年も離れ、父の仕事場であるここに降り立つはずだった主人公「ヒュー」
しかし、周回軌道での事故により宇宙船は大破、脱出ポッドで一人、未開の地に降り立つことになる。
共にあるのは、「グライダー」、そしてAI「カール」。
君は、何万キロも先の調査基地までたどり着くことができるのか・・・・。
今、少年をめぐる絶望が幕をあける・・・・。

 シナリオは……ぶっちゃけ非常に良かったです。
鳥たちと、のほほんと遊ぶだけのシナリオだったらここまで思いません。
地球人である主人公の無知さ、AIのカール、父との思い出、鳥たちとの旅、明かされていく調査結果
そして・・・絶望との出会い絶望の旅
心が折れます……でも達成時の鳥肌は異常です。

 ノリ的には、未開惑星探索というので、未知の生物が全て『トリ』に置き換えられているようなものですが、
食物や植物、気候や地形、絶望など、その他の要素が、未開惑星の知らぬ恐怖という対象になっており、
地球人の主人公に感情移入すればするほど、未知の世界に恐怖を抱きます。

 何種類かのルートがあり、最短のルートを通ると・・・・。
もはや、救いのかけらも、タイトル要素も、癒しも、一切ない絶望ルートとなります。
一周目で通ると超難易度に感じるでしょう。
しかも雑誌やHPで紹介されているヒロインが登場すらしません

 ヒュー君、キャラランクイン

 とにかく最初はAルート推奨。

そうですね、タイトルコールを作ってみました(ネタバレしない範囲で)
第一話「救助隊なんて来ないんだ」
第二話「サバイバル開始」
第三話「絶望ナウシカ〜出会い編〜」
第四話「絶望の谷」
第五話「瓶の中の手紙」
第六話「寂寞〜空虚な癒し〜」
第七話「絶望の楽園〜群れる絶望〜」
第八話「3倍速い」
第九話「絶望に次ぐ強大な絶望」
以降は実際プレイしてみましょう。

グラフィック 2点
 肝心のフライト時の3Dは及第点。
密林が平原に見えます。マップも自分で埋めるしかない、高度すら自分で把握するしかない絶望さ。

   離着陸の時の2D画像等がフラッシュアニメのように動きます。
また全シーンに口パク有。

 鳥たちは可愛らしい。が、キャンプ時の鳥は何故かカードイラスト。

 キャンプ地の3D画像が良く出来ており、飛び立つ場所の地形がそのまま表されています。
全キャンプ地がこの仕様で、マップを地上から見たらこうなるのだろうと感慨をもった。
しかし、今に思えば、上空撮影の地表ってのは、こういう緑地帯にしか見えませんよね。 深夜番組の絶景シリーズ見てると。
つまりグラフィックは、それなりに趣向を凝らした現実味のある映像化だったのではなかろうか。

音楽 3点
 「昼」、「晩」、「嵐」、「迫り来る絶望」、「絶望」、「希望」、「翔け上がれ」
が印象的。というかそれ以外の音楽を聴いていることはほとんどない。

 楽曲的にはテクノ。翔け上がり中は鳥肌。

 同梱されている初音ミクのイメージソングだが、
ゲーム中では一切使われません。
アレンジVer.もカラオケVer.もありません。
ゲームの付録と考えておきましょう。
 ちなみに、これをゲームプレイ後に聞くと・・・・・・・
歌詞が明らかにゲームとリンクしてませんよね。
と感じます。 空とか鳥とか、そんなレヴェルの話じゃありません。

 
文章(力) 4点
 一言で言うなら、巧いです。
数々の伏線、台詞回し。絶対量は少ないものの、痛烈です。

 また、SF文章に説得力があり、気象関係や地学関係も網羅しており、
惑星探索の文章として、TIPSネタが多量にあり、フライトシミュレーションとしての完成度を押し上げます。

 純粋なアドベンチャーではないため項目点数は高めですが、
正直、この感動はこのライターさんでしか味わえなかったでしょう。

 Cルートの、有名なあの、この作品の全てを否定する皮肉的な台詞は、鬼畜としかいいようがありません。
ホント、癒しアドベンチャーとか、広報失敗しすぎですw

 
システム 4点
 フライト操作はエースコンバット。
しかし、戦闘機と違い風の影響をもろに受けます
この操作感が非常に良く出来ており、グライダーの真骨頂が分かります。

 基本は、一つの島で鳥の生態を調べつつのサバイバル生活
上空を飛ぶと川辺などでキャンプ地が発見でき、そこを転々としながら島を回る。
初見では何をどうしたらいいか分からず、島を巡りまくるしかなく、かなりの時間を要する。
 1日は20時間。フライト中はリアル1秒でゲーム内1分。
つまりリアルで20分経つと1日が過ぎる。
主人公には、体力と満腹率が設定されており時間の経過で満腹率が減っていき。0の状態だと体力が低下する。
体力が0になると衰弱死

 フライトの難易度は異様に高く、暴風雨の中を進むや上昇気流に乗っての山越え等、
エースコンバットをやり尽くしていても簡単ではない。
地面や山に衝突すると体力が減少し、0になると墜落死
キャンプ地に降り立つためには100m以下に高度を下げねばならず、強風中は極悪な難易度。

 「鳥」に関して言えば、上空で出会うかキャンプ地で観察すると図鑑に登録される。
最初は「未知の鳥」という名前なので、自身で名前をラベリングします。
また、鳥ごとに四種類の鳴き声があり、条件クリアすると録音できる。
友好の鳴き声を手に入れるとその鳥と飛べるようになる。
この友好の鳴き声を手に入れる方法が把握しにくく、初見ではかなり難しい。

 「食料」は、キャンプ地で探索(要時間)するとある程度手に入る。
これらも名称が特徴表記だけで、有害かどうかの判別はユーザーに委ねられる。
鳥と同様ラベリングして区分けしていく。
取り尽くすと手に入らなくなる。キャンプ地を変えるしかない。
鳥の食料を奪うこともできる。主にこちらの方がお得である。

 飛行中にイベントが多数あるが、画面の三分の二が覆われ、一時停止もできずマップも開けない。
これがかなり危険である。
プレイ中のロード時間は気にならない程度だが、ボイスがないのに何故かセリフでぎゅるぎゅるロードする。
しかし、データをロードしてマップを読み込むときのNowLoadingが異様に長い。

 イベントが小刻みに用意されていて、フラグを達成しないと次のイベントがおきないため、
先回りして目的を達成したりとか(できなくもないが)するとイベントが進まず堂々巡りになる。
これが痛く、イベント達成条件(主に特定キャンプ地で行動)が分かりにくく、ストーリーが進みにくい。

 全体的に難易度は高く、「絶望の谷」と最終話は詰む可能性すらある。
しかもイベントをこなさなくても力技でクリアすることも可能であるため、(私は一周目それでいきました)
その時の難易度は倍以上に跳ね上がる。

熱中度 5点
 一周目は40時間ほど。
二周目になると引継ぎが多いため10時間もかかからない。
やはり最初の最長ルートが濃すぎた感がある。

 やめ時を忘れてしまいます。通常時の飛ぶ楽しさは皆無なのですが、あの絶望感と達成感は止められない。
難易度が高いため噛み応えのある内容となっていました。

余韻度 5点
 実に良いゲームでした。

 おにゃの子が全然出てこなかったり、声がついていなかったり、押し寄せてくる絶望に耐えきるしかなかったり、
宣伝の要素や、癒しの要素が一切感じられないゲームではあったが、
それを押しのけるほどの感動を与えてくれる傑作。

総評 A
 オルタとガンパレに続く絶望ゲーム。
まさかのA評価。でも納得のプレイ感。
やればわかる楽しさがここにあります。
しかし超難易度のため挫折する方が多そうなのが問題か。ミクも釣りのネタでしかなかったし。

 PS2作品ということで、ローディング長いし、今時のプレイを忌避する方が大半でしょう。
しかし、スカイアドベンチャーとしては、非常によくできており、
苦難を乗り越える・乗り越えた後のシンクロ率は尋常ではなく、ドキドキします。
3周したけど、時々、ラス面で直角デンプシーしたり、○○中でも突貫したりしたくなります。
時期によっては、非常におどろおどろしく、鬱になりそうだけど、回生のAルートの爽快感は堪りません。
売れ行き最悪だし、周りじゃ誰もプレイしてないので管理人は落ち込んでいます。

 リメイク希望。

 G無双と並行して進めようと思ったがこっちにハマってしまいました(笑
癒されたいな〜と軽い気持ちで手に取らないことをお勧めします
絶望を乗り切る勇気と、それに見合うだけの達成感を得たい方にお勧めします。

 エンディングロールで分かる超少数精鋭なゲーム会社エヌケーシステムさん。
十人ぐらいじゃないですか?
ちなみに日本一ソフトウェアは販売元です。

 


posted by PP at 01:50 | Comment(3) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
えーと。はじめまして。
突然失礼します。
初期PS世代にゲーマーだったものです。

フライトものがけっこう好きで、半年前にPS2を手に入れました。「トリノホシ」に興味を持ちこのレビューに行き着き、主様のただならぬ言葉に感化されオークションにて購入しました。まだ届いてませんが興奮しております。
Posted by rimixer at 2010年11月29日 16:46
 トリノホシにコメント……だと……。
初めてのリアクションに感動しております。

 詰まったらwiki見る程度で挫折せずに楽しんでくださいね。
結構自由度あって3周楽しめますが、
最初Aルートじゃないと感動が薄れますのでご注意を。
入り方は、ネタバレ厳禁なので控えますし、
選択肢も大いにネタバレなので調べるのも危険です。
2話北とヒュー君に感情移入、ていうのがキーワード。
Posted by 管理人 at 2010年11月30日 08:21
おお。
レスポンスありがとうございます。
しかも参考になるお話まで。

明日以降に届くそうです。
しばらくどっぷりとつかってみたいと思っています。
また、訪れるかもしれませんがその時はよろしくお願い致します。
Posted by rimixer at 2010年12月01日 03:06
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