涼宮ハルヒの戸惑 | メーカー | バンプレスト | 発売日 | 2008/01/31 |
シナリオライター | たくさん | 原画 | 池田晶子(京アニ)、他多数 |



レビュー | ||||||
シナリオ | グラフィックス | 音楽 | 文章(力) | システム | 熱中度 | 余韻度 |
2点 | 4点 | 4点 | 3点 | 4点 | 5点 | 5点 |
総評
B:
74
|
一言で締めるのコーナー
「なんという意欲作」
※原作は一巻を発売当初に読み、二巻を後日に読んで投げました
※アニメは一話を見て投げました。
※本作品は全クリアしました。
「なんという意欲作」
※原作は一巻を発売当初に読み、二巻を後日に読んで投げました
※アニメは一話を見て投げました。
※本作品は全クリアしました。
以下詳細レビュー
シナリオ 2点 |
今回は、企画・イベント総数・オチが異様に良い。
グラフィック 4点 |
ブラボー!!
立ち絵(作業絵)の総数・バリエーションが圧倒的。
「よそ見」システムも相まって、幅広く画を書いているのには脱帽です。
全立ち絵・全CGに口パク有り。
芸が細かい…
フェード効果があるのでアニメーションを見ているかのような美麗さ。
ユーザーインターフェース画面がオリジナリティ溢れる仕様で、かつ美麗。
2Dで、かつアニメチックに、良く表現しています。
画像製作チームに協力が多数入っているからこそできた芸当。
スタッフが多く、バンプレスト開発であるがグラフィックは外注(協力)であることが分かる。
京都アニメーションはさほど関わっていないようであるが、立ち絵のクオリティから分かるように、
一枚絵としては京アニに引けを取らない出来栄えです。
音楽 4点 |
アニメーションは京アニのを流用していますが。
BGMの全体的な感想は、「ほんわか」でした、ね(笑
タスク処理に追われる毎日を過ごすSOS団ですが、何故か心休まるBGM
4点な理由は…完成したゲームの音楽とSEにネタが豊富であったため。
BADゲーム系の16bitほどのチープな音楽は、郷愁を誘うわりにメインメロディが美しい。
GOOD系も各ジャンルにあったBGMが取り揃えられている。
………ボイスSEは笑うしかない。
文章(力) 3点 |
それでも、キョンの性格や、古泉のガチや、みくるの癒しや、ハルヒの暴虐デレや、長門の機械的な特徴が、
十分に読み込んである内容で、読んでいて楽しくなってきます。
キャラが活き活きとして、キョンが突っ込みをいれる。これぞハルヒですね。
問題点としては、原作と違って台詞に「」が使用されていなく、逆にキョンの心の声が()で表現されているため、
スタッフも間違えることが多かったのか、心の声に返事をされることが目立ちました。
でも…古泉に心を読まれて会話していると、狙ったようにしか思えませんが(苦笑
システム 4点 |
涼宮ハルヒの戸惑とは、「ゲーム製作」をするゲームである。
シュミレーション+ADVゲームであり、タスクをキャラクターに割り振り、一緒に仕事をする仲間を選択して進めていく。
ゲームツクールアドベンチャーと言ってもいい。
黒板上でタスク割り当てを変更するのがキョン(プレイヤー)の主な操作。
各タスク(ゲームの製作の仕事の単位)には個別イベントが全て設定されており、
特定キャラ・特定の条件で一緒に作業すると、さらに「気になるイベント」が発生する。
「気になるイベント」の見返りは大きく、「やる気」ポイントが大量に貰える。
「やる気」ポイントを使ってタスクを変更していく
特徴的なシステムとしてあげられるのが「よそ見」と「その場の空気」である。
「よそ見」によってキョンの視点を左右(上下)に自由に移動でき、特定のキャラを見続けたり、無視したりと、
自由度の高いシステムになっている。
「その場の空気」は「よそ見」によって変動した、SOS団メンバーの気分が場に反映されて、タスク結果と「やる気」に影響を与える
もはや、ADVの領域ではない企画とシステム性である。
キョン以外のキャラクターの台詞は吹きだしで表示されるが、「よそ見」で見えなくなったキャラも、
吹きだしだけは画面上に表示されるように動いてくれる。
立ち絵の一様な表示でしか表現していないADVとは雲泥の差である。
難点なのは、タスクが豊富な割りに、ゲームの内容に反映されることはない、という点である。
自由にタスク処理を選択できるが、その実、できるゲームと内容はジャンルで固定されており、
ジャンルが決定したら、あとはGOODとBADしかない。
「告白シーン」というタスクを処理していても、「ボードゲーム」ではそのシーンは挿入されない。
ただし、40種類ほどある完成パネルというバグ的な要素は反映されます。
完成ゲームをプレイすることは可能。 ミニゲームレベルではあるが、クオリティは相応に高く、
商用ソフトの一部を抜粋したレベルである。
しかし、完成ゲームの真髄は、バグや、SOS団の突っ込みや、ネタ仕込みである。
バグで仲間キャラが登場しなければ、
キョン「おいおい、ここで助けに来てくれるんじゃなかったのか?」
古泉「――あぁ、これはバグですね、イベントが発生しなくなっていますね」
キョン「じゃあどうやってクリアするんだよ!?」
のような会話が、テストプレイ中に直に流されてニヤニヤしてしまいます。
熱中度 5点 |
初回プレイは10時間ほど。 2周目は8時間。 慣れてきてスキップ駆使して5時間。
結局8周してALLクリア、真END達成。 大よそ50時間はプレイいたしました。 寝不足です。
熱中度の要因は、タスク管理が複雑さと、イベントの圧倒的総数、そして何より企画の神加減、です。
従来のADVに足りなかった自由度の高い視点システムと、シュミレーション風なタスク管理、
そして色濃いキャラクター達の各イベント、それも数量膨大とあっては、ハマルしかない。
普通にプレイすると最低6周することになりますが、それでもあきないほどのクオリティを誇っていました。
声優陣もアニメ時の鉄壁の布陣。 キョン(杉田さん)は日常シーンで声がはいっていないのは残念ですが、
さすがにあのイベント量では過労死です(笑
ただし、完成ゲームのプレイ時の突っ込みは声有りです。
余韻度 5点 |
固定概念やジャンルに収まらない、オリジナリティ溢れる、意欲的な作品。
そんな認識を、プレイしたユーザー全員に与えてくれるであろう。
そうでなくても、初プレイの時は「これがハルヒの力かよ!?」と驚愕するでしょう。
総評 B |
というのが、原作2巻を読んだ時点での私の感想であった。
このゲームをプレイした後でも、その思いは変わっていないのだが………
アニメ業界とゲーム業界に、旋風を巻き起こす要因となった、
涼宮ハルヒの冠名が付くものは、「逸脱した設定にしなければならない」という、
涼宮ハルヒ自体の設定には拍手を送りたいです。
もうね、PSPの「約束」のモーションポートレートからも分かるように、
涼宮ハルヒネタは業界の壁をぶち壊す伏線になる可能性大です。
この作品(の企画)にインスパイアされてゲーム業界が新天地を見せてくれる(風潮になるのを)期待します。
感銘をありがとう、ハルヒ!