はるかぜどりに、とまりぎを。 | |||
メーカー | SkyFish | 発売日 | 2007/10/26 |
シナリオライター | 素浪人、巳無月麗羅 | 原画 | 蔓木鋼音、唐辛子ひでゆ |

レビュー | ||||||
シナリオ | グラフィックス | 音楽 | 文章(力) | システム | 熱中度 | 余韻度 |
2点 | 3点 | 4点 | 2点 | 2点 | 2点 | 1点 |
総評
E:
43
|
一言で締めるのコーナー
「最大多数の最大浮気」
「最大多数の最大浮気」
以下詳細レビュー
シナリオ 2点 |
主人公について語りますが、彼は今までにないキャラクターです。 常識を逸したキャラです
今までの常識ではね、「こういう=純愛系・恋愛系」ジャンルのゲームでは、
どれだけ鬼畜な事をしてもそこには「愛」があるし、上辺だけ「変態!」と罵られても
主人公はヒロインに対してそこまで変態行為をするような奴じゃぁない
しかし、この『はるかぜどりに、とまりぎを。』の主人公は
本当にどうしようもない、鬼畜で変態でモノホンのSです。 男として生きていてはいけません
浮気?そんなの当然。 自分の幸福が相手にとって幸福でないと気がすまないハーレム願望野郎です
彼の行動は犯すことを原動にしています
それだけならまだ救いがあったのだが、彼は冷静沈着キャラで
ヒロイン達を「大切だ」「好きだ」「一緒にいて欲しい」
という純愛系な思考を垂れ流しつつオモチャにしていくという。
DQNに騙され翻弄されるヒロインたちが可哀想でしょうがない
特に春音(妹)は一途で、浮気されても一途で、何されても一途で……………
それを受けてのシナリオですが
浮気が大前提なお話で感動しろといわれても、トチ狂っているキャラ=滑稽にしか見えない
「沈みつつある街」も「サトリ病」も所詮物語の道具でしかなく、設定不足が非現実感を強調している
使い方も微妙で、浮気を正当化するのに必至で放置気味
ていうかバッドEND多数、アフォかと
シナリオの挿入の仕方も意味が不明で、ただ単にイベントを小口切りにして散りばめた感じでチグハグ
主に三つに分かれる「十年前」「一年前」「現在」という区分けは
既成事実を作る土台にしか見えない、というのも皮肉的
テーマの収束は若干成功していた。
グラフィック 3点 |
構図も良くはなく(両人とも)、少量な上、Hシーンでの使い回しが目立つ
蔓木鋼音氏の描く、春にゃんと秋ぽんは確かに可愛いが、逆に他二名が…
いい感じの原画だったとしてもグラフィックの細々とした作業で殺された感じが強い
光沢が効きすぎていて落ちついた感じがせず、シナリオと相まって「軽い」感じに見える
公式サイトを見ていただければ分かると思います、原画の段階だと落ち着きがある。
グラフィッカーと彩色陣は6名ほどだそうですが、手を付けすぎた感がある
他の部分は凝っているところがちらほら、水の波紋だとか、電車の通り過ぎる背景とか、桜吹雪とか。
重くなるので自重して欲しかったですが(笑
音楽 4点 |
他の曲もピアノ・オルゴール・ヴィブラホン等、合奏の融合具合が良い
旋律はほどほどに世界観とマッチしていて良い
ただ、曲の総数が17曲ではボリューム不足は否めない
OPとEDも、タイトルとEDでしか使われず宝の持ち腐れ
文章(力) 2点 |
キャラクターのノリは上々で会話は適度に楽しい、子安さんの熱演もそれに相乗
しかしながら、舞台設定を活かしきれず、親友の彼には「何か」あるのかと思っていたら
浮気を正当化するためだけのキャラクターで、気持ち良いぐらい裏切られた
マルチシチュエーション=マルチ恋愛=浮気、ですか、そうですか
春にゃん(妹)の描き方はいいのだが、主人公の性格が氏んでいるのでどうにもならなかった
システム 2点 |
自分で選択できるかと思っていたら、選択できるのはほんの一部かつイベント名だけ
この時間この瞬間を選択できるというものではなかった
コンフィグは様々な表示フェードを時間横棒グラフで管理できるのは新鮮だったが、煩わしい上掴みにくい
サウンドや文字表示速度も同じ横棒グラフで設定するのだが
指標が分からないため適当にしか設定しないまま終わった
キャラクターの台詞に元々カギ括弧がないため、思考と台詞が判別しにくい
音楽の元々の収録ボリュームがかなり小さいらしく、音声と同じ音量にしても聞こえづらい
タイトル画面の表示アニメーションが毎度のためストレスが溜まる
バックログが全画面表示できない
「十年前」「一年前」「現在」分けの繰り返しプレイだと共通シーンが目立つのに、既読したはずの文章が
選択が違う場合飛ばせない
セーブ・ロードがなぜかQ/SAVE・Q/LOADと表示されていて、クイックセーブ以外を探してしまう
セーブはそこしかないのに
熱中度 2点 |
春にゃんの魅力で持つのは春音END3ぐらいまで
他のキャラクターを攻略しようとすると痛い目をみます
余韻度 1点 |
「皮を被った」ド変態浮気ゲームだと知る由もなかった
総評 E |
がしかし、売りのマルチシチュエーションも世界背景も活きてはいないので
時間の無駄になる可能性が大きい
裏切られる前に回避を
子安さんの父親熱演だけが唯一の救い