2007年08月21日

続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─

続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─
続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─
メーカー NitroPlus 発売日 2007/7/27
シナリオライター 虚淵玄 原画 NiΘ
続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─

レビュー
シナリオ グラフィックス 音楽 文章(力) システム 熱中度 余韻度
3 3 4 4 2 4 3
総評 C 67

一言で締めるのコーナー
「ウェスタンNitroさっぱり風味」


以下詳細レビュー
シナリオ 3点
 非常に吟味が難しいシナリオだった
いや描きたいことは如実に伝わってきたのだが、それが面白かったか、問われると首を傾げてしまう
 主人公の立ち位置がかなり微妙で、周りの人間が立ち(・・)すぎているのが問題
後に分かるが己の目的を全うする金髪(ブロンディ)
自分の矜持と計画に忠実な禿鷹リリィ
父の夢と己の信念を貫くジュリアン
主人公、黒のフランコは確かに貪欲ではあるが、そこに確固たる自信がない…
己の生きる目的を逃避に当てている節があり、さらにいうなら何故彼女が黒のフランコなのかが分からなかった
世の中は必然ではなく偶然でできている、そういった事を伝えたかったのだろうが、おかげで金魚の糞的役割が強い
 また、全体としてNitroにしては短すぎるという欠点がある
そのせいで人物の背景描写が足りない上に、盛り上がりの部分が分かりにくく、ユーザーの感情も高ぶりにくい
 プロトゾアンや異星人といった銀河系を越えた話題がナチュラルにはいっているわりに
物語の本筋にはさほど関与しなかったのも話し全体をこじんまりとした印象にしてしまった
 まぁしかし、マカロニ・ウェスタンを貪欲なキャラたちのオンパレードで
しかもギャルゲーとして表現したシナリオはかなり素晴らしい

特にその世界の独自の倫理観をしっかりと醸し出していたのは賞賛に値する
グラフィック 3点
 今までのNitroの作品と較べるとチープな印象を受けてしまう
 まず第一に、サブキャラクターが紙芝居レベルの動作をしてしまうという点
スターウォーズよろしくイカとか馬とか六目とか緑人種とかといった異星人キャラが出るのだが
撃たれて倒れるシーンが板の的がパターンと倒れる感じ
まぁ、確かに日本人は西部劇をゲームやら何やらで変な先入観持ってますが、失敗した感じ
立ち絵も背景に透過している場面が少なく、茶色の個別枠に表示するとグラフィックが変化もなく手抜きに思えてしまう
 第二に、大人数を表すのに3Dグラフィックを使っているのだが、PS1時代の顔無し筋肉ポリゴンですか
安っぽい、としか感じられませんでした
 第三に、黒のフランコのあの顔は止めてください(笑。 あれはDr.ウェスト限定でしょ(笑
 ちなみに機器関連、銃器関連、兵器関連の3Dグラフィックは卓越している
しかし結局のところ2Dでも銃器は十分かっこいいのでわざわざ見せびらかす事もないように感じた
 原画さんは斬魔の頃から圧倒的に進化していて、ロリ童顔デフォルメキャラ系になっていたものが
きっちり大人の風味を出せるようになっているし、Nitro陣営の配色&彩色が兵ぞろいなので安定
あとは量が足りないだけ
音楽 4点
 Brindiamo!〜俺たちに乾杯〜、スィートウォーター讃歌、
ColdMetal、F、Requiem、土とライフルは共にあり
といったボーカル曲が強力
ワタナベカズヒロといとうかなこのOP&EDは誰にも止められない
 しかし今回はウェスタンサウンドを表現しなければならなかった
Nitro通例のZIZZの起用であったが……ゲーマーな私にとっては、漢・なるけみちこに勝てる者なし、といった具合だった
口笛も、哀愁漂う荒野の寂寥も、ワイルドアームズには一歩及ばない
ボーカル曲はイタリア語のため、イタリア製マカロニウェスタンに沿っている、とはいえちょっち伝わりにくい
文章(力) 4点
 定評どおり、今回は硝煙の男、虚淵氏の本領発揮といった所だった
別段私は銃器に関心があるわけでもないので口径話やシリンダー話に花を咲かされても
知識として補完しておくか、程度な感想わけではあるが
むしろNitroが虚淵節のためにこまめに銃グラフィックを用意している努力と
コラボレーションの高さには毎度驚愕させられる
 だが、私としては今回最も注目すべき点は、世界観と整合した道徳観念の刷り込みであると思う
要は、他者を傷つけ略奪し強姦する事に対して、何ら罪悪感を感じる必要のないキャラクターを縦横無尽に走らせ
それをユーザーに好意的(フィクション)に受け取ってもらえる土台の作り方が絶妙
そのおかげで何の違和感もなく物語りに入っていく事ができ
作中の犯罪行為に対して、自身の良心とのかみ合わせによるしこりが残らない描写となっている
   
システム 2点
 毎度ながらスキップ能力が貧弱
いい加減ボタン一つでスキップ開始にさせて欲しい
 αロム起動チェックも邪魔でしょうがない
熱中度 4点
 非常に引き込まれる作品だった
話の展開は微妙であるが、導入部分からギャルゲーとは一線をなしたハイクオリティなウェスタンイベントが待っているので
次の起こる事象に対してドキドキしっぱなし
 また、欠点でもある短さだが、濃厚であるため飽きが途中でこないといった長所でもあった
余韻度 3点
 終わってみるとちょっと拍子抜け、と感じてしまった
特に心にも残らないさっぱりとした感じであったし、戦いはこれからだ!みたいな終わり方もびみょー
むしろ題名に「続」が入っているのが最高の疑問なのだが…前作があったのだろうか…
続きがありそうな悪寒
総評 C
 突拍子もない企画が来たものだ、と不安がっていたが
実際プレイしてみたら過去の作品に遜色ない仕上がりで、Nitroらしさがにじみ出ていた硬派作品
一般ギャルゲーはもはやプロットの時点で逸脱しているのは、製作側の挑戦姿勢が窺える
 硝煙の匂いが嗅ぎたくなったり、ギャルゲーでウェスタンを味わいたかったらお勧め
しかし短さのせいか若干チープな印象はぬぐえないので過度な期待は禁物


posted by PP at 12:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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