2007年06月17日

つくとり

つくとり
つくとり
メーカー ruf 発売日 2007/5/25
シナリオライター 味塩ロケッツin企画屋 原画 緒方剛志
つくとり

レビュー
シナリオ グラフィックス 音楽 文章(力) システム 熱中度 余韻度
4 1 3 3 4 2 3
総評 D 57

一言で締めるのコーナー
「全員変(人)態」


以下詳細レビュー
シナリオ 4点
 主人公と久十生が訪れた月鳥町、そこで起こる奇怪な事件
3つの事件が相互に作用し、綿密に混ざり合い、結果を収束させていく
1つの事件も一枚岩ではなく、村人たちの思念が交錯し、物語は1つではないと語っていく
 シナリオ構想が卓越していた
全ての事件が本当に綺麗にまとまっていく様は見事
 問題は、異様に長い、ということだろう
OP→共通→3つの事件→3つの事件解答編→真章、と問題提示の時点で軽く10時間は越えます
伏線はりまくりのためちょっとやそっとじゃ思い出せないよ(笑
 正直に言えば、シナリオは”楽しくない”
ズバっと解決、スパッとEDではなく、ドロドロ続いて行き、3つの事件だけで絶望の淵へ追いやられる
そこまで耐えてやっと解答編
しかも解答編も実はズババっといくわけではなく、論理的に一つ一つ解決(良いという方もいるでしょう)していくので時間が…
ついでに解答編3つ、無茶な展開と無意味なギャグ突っ込みが多く置いてきぼり
真章は”まとめ”というより”裏の裏編”といった感じで実は3つの事件を半分くらい無視
 伏線はしっかりしているのだが、トリックがかなりチャチである
これのおかげでユーザーは「そんなこと分かってるって、気付けよ主人公+久十生!!」と思ってしまう
グラフィック 1点
 ブギーポップ(電撃文庫)で有名な緒方氏
ギャルゲー向きじゃないですね……
背景の描写不足にともなって非常にチープな感じ
デコが気持ち悪いです、奴を何とかしてくれれば評価激変
 サブキャラクターにこれっぽっちの愛も感じられない
むしろやる気がないのか?
影すらつけない立ち絵の薄さには驚き
特にルルの父親は一枚絵で何度か登場するのだが
マスオさんをさらにデフォルメにした感じ
他にも重要キャラクターがサブに大勢いるのにあのやる気の絵ではどうしようもない
九十生はサブ扱いだがサブヒロイン扱いなのでセーフ
音楽 3点
 素晴らしいと思えるほどではない
EDスキップ可能なので特に印象的なものはない
サスペンス調の音楽は独特
文章(力) 3点
 賞賛すべき点は一つ
登場人物の行動の”理由”が明確にされているという点
主人公は最初成り行きまかせの人間かと思っていたら…
アホトークしかしないヒロインたちは実は…
かなり売○な雰囲気のグリューンも…
しっかりと彼・彼女らの生き様と根底に位置する意思を描いている
 前半は九十生と変人達の織り成すギャグトークなのだが
彼・彼女らの裏の面を引き立てる要素にしてはちょっとはっちゃけすぎた感がある
さらに解決編にもある程度そのノリを引き継いだり、真章では全員そのまんまでショッキング
また九十生との掛け合い以外は寒いどころかムカついてくる
 もう1つ、このゲームを純粋に楽しめない要因になってしまった点がある
それは”力”と”サスペンス”だ
国家権力を相手にしたり、戦時下の戦闘なら違う意味での力の差があるのだろうが
この作品は、序盤から中盤にかけてババアの部下の”力”の前に手も足もでない
「黒服」の「屈強そうな」グラサン(これは予想)の奴らを従えたババアがやりたい放題
主人公と九十生(警部)は完全屈服
目に見える脅威に対してサスペンスされても全然楽しくない、ただイジメカッコワルイ印象
倫理的に気持ちの良い展開ではないということだが、閉鎖空間だから…という理由だけでは足りない
そうだね、敢えて言うなら
撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ!
殴っていいのは殴られる覚悟のある奴だけだ!
泣いていいのは他人の痛みが分かる奴だけだ!
貴様が俺を殴った瞬間、俺は貴様を殴る権利を得たということだ!
   
システム 4点
 このゲーム、選択肢が存在せず、章を選択していく事で話が展開します
これは新しい発想
章選択の所でセーブしておけば、各章クリア後にシステムデータが上書きされ
そのポイントから新たに別の章が選べるようになる
 ゲームは自体は軽く、コンフィグも問題はない
熱中度 2点
 シナリオ・文章項目で記述したとおり、気持ちの良いプレイができない内容+長さのせいで
あまり熱中はできない
解答編と真章である程度回復できるが、”圧倒的な雰囲気に呑まれる”レベルではない
 声優の問題だが、九十生役のこのかなみさんが上手い
相棒とのトークが楽しいとテンポが良くなる、ということが話が進むと分かる
準(町田あみさん)と杳(まきいづみ)が酷い
彼女らが傍らにつくだけで殴り倒したくなってくる
特に準との会話が苦痛でしょうがない、ギャグが自動で滑っていくのもそうなんだが、ボケや突っ込みに合う感情表現じゃない……
余韻度 3点
 ありとあやゆる所で不満があるが読み物としてはなかなかだったといえる
ラストは描写不足な点もあってあまり盛り上がらなかったが、理由付けが明確なので納得させされる
ただやっぱり、プレイして楽しい、というのがユーザーにとっては必要不可欠な要素だと思わされた
総評 D
 残念賞
いや、健闘賞ですか…
閉鎖空間物語としては中々に完成度が高いと思いますが
ギャルゲーとして読むのは無理ですし、ビジュアルノベルとして見ても許容ギリギリ
時代と求めるものとジャンルが相反してしまいました
まずは緒方氏の絵を好きになることからはじめましょう、個人的に好きですよブギーポップやビート  


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posted by PP at 21:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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