2010年07月29日

黄昏のシンセミア

黄昏のシンセミア
黄昏のシンセミア
メーカー あっぷりけ発売日 2010/07/22
シナリオライター 桐月 原画 オダワラハコネ
黄昏のシンセミア

レビュー
シナリオ グラフィックス 音楽 文章(力) システム 熱中度 余韻度
2点 2点 4点 4点 4点 2点 3点
総評 D 56

一言で締めるのコーナー
「積みました」


以下詳細レビュー
シナリオ 2点


 伝記にするには少し際どいかな……といった所。

 出戻り主人公の、田舎閉鎖空間で起こる怪奇究明っていうのが本題で、
故郷へのとけ込みは、OPで翔子から信頼を勝ち得た時点で終了しています。
というか、専らの登場人物が主人公に対して好意的で、家柄の影響からか一目置かれているので、
ひぐらしのような、人間関係の恐怖ってのは存在しません。

 ヒロインはパッケージの4人で、実妹がトゥルー担当です。
立ち絵のある女性キャラクターが全て攻略?できます。 ていうか女性しか立ち絵ないけどね。
トゥルーに入るには、パケ絵の4人を攻略すればいいので意外にプレイ時間は短い……か。

 このシナリオの、何がいけなかったといえば、
公式に書いてあるからいいますが、怪奇の象徴である山童(やまわろ)がOPから登場するのに、
その危険区域である森にずんずん進む主人公や、肝試しとかやっちゃう登場人物たち。
川辺でも危険な事が起ったのに、川遊びなんかしちゃったりして、
危機感がありません。 君子危うきに近寄らず。

 次に問題なのが、某登場人物経由の怪奇説明。
石です、呪いです、命令です、プログラムです、ハードです、念じれば消えます。 ←(°Д°)ハァ?
一応オチをつけた事は賞賛しますが、抽象的過ぎてイマイチ説得力に欠けました。

 シナリオ的に盛り上がった部分は、
翔子の心を解きほぐす所と、4人攻略後の「何か始まったー」的な部分であって、
翔子ルート最後は好感度下がりましたし、トゥルーのさくやが兄を好きなった理由回収も納得できませんでした。

 恋愛模様は、少し描写がぶっ飛んだ感じがしますし、一人称なので補完が欲しかった所です。(フラグメントでね)
実妹関係の話はよく書けているように見せかけて、主人公の葛藤が主で、特に解決していないが難。

グラフィック 2点
 コンチェルトノートは1点つけましたので、こっちは2点ですね。
斜め向いた顔が書きづらいのか、垂れ目が書きづらいのかは分かりませんが、
皐月さんと、いろはの顔が酷いものです。(和奏と小夜璃ほどじゃないけどね)
ていうか、いろは、設定原画めちゃくちゃ可愛いのに……。
これ、グラフィッカーさんが改悪してますよね……
え、彩色だけ外注? じゃあどうしたらいいの……。 清書したら残念ですね???

 あと、翔子の部屋広すぎ。
動物達のCGがない。 影のみ。
立ち絵が9人しかありません。 公式で紹介されている人物だけしかありません。

音楽 4点
 引き続き、鷹石しのぶさんなので、あいも変わらず良曲そろってます。
全40曲、ピアノ曲の印象が深く、アレンジも絶妙で鳥肌来ます。

 誰の為に、深い霧の先へ、華麗奔放あたりがおすすめか。
また、夏の軌跡はEDに相応しいスルメ曲。

 夏のファンタジアは、作品への導入を助けてくれる名曲。
後半のver2や、アレも印象的。

 問題は、これもまた、作品に恵まれず、貧弱な演出と盛り上がらないイベントシーンのせいで、音楽と場面が噛み合いません。
音楽聴いたら、「ああ、あのシーンかぁ」「あの戦闘かぁ」って思えるほどの印象付けができなかったのは、ゲームとして痛手。
さらにいえば、コンチェルトノートの方が良かったです。

文章(力) 4点
 そつがなくなりました。
登場人物間だけに分かるような会話の繋ぎがなくなり、非常に読みやすくなりました。
(前作はバックログで確認しまくりましたからね)

 主人公も好漢で、妹に欲情した時に真っ向から妹に相談しにいく辺り、かなりユニークです。
兄としての描写でもっと狙えたのに、連絡帳の部分しか兄らしさが強調できず。
見せ場も多いし、手段を選ぶ高潔な人間ですが、主だった特技がないのが残念です。
前作の主人公は、Black Catのジェノスな武器で、その特技も素晴らしい演出に加担できましたが、
概ね劣化な印象しかありません。

 妹の描き方は、まぁ萌えるのですが、トゥルーでの回収がおいしくありませんでした。
兄弟の妙な変態的連帯感がツボでした。 これは桐月氏の妙技ですよね。
主人公が他キャラクターに対しては変態じゃなかったのは、いいとも悪いともいえませんが。

 今作は、親友役というか、男性が一人も出てこないため、信頼感を預ける人物がおらず、燃えが足りません。
どうしてこうなった……

 
システム 4点
 神技フローチャート。
全チャートが簡単に把握でき、分岐一発飛びで、動画で確認もできる神仕様。

 私は毎度、このフローチャートをRPGで、マルチエンディングの2周目以降に追加して欲しいと願っているし、
ADVならあって当たり前でしょ、とか思ってますが、
構想的には、フラグも管理できるフローチャートであって、
シンセミアの場合、直前の選択肢でのみ分岐が判断されるためフラグ管理が必要ないといった巧い作りになっています。

 また、立ち絵やページ切り替えの演出が全て、スクロールやクリックでスキップできるため快適にプレイできます。

 システムの良所はフローチャートが全部持っていっている分、演出スクリプトの貧弱さが目立ちます。
立ち絵というか、動かせる絵の少なさや、エフェクトの絵の少なさも相まって、イベントシーンが滑稽な感じに。
PARA-SOLの演出が鮮麗なので余計に。

     
熱中度 2点
 正直、導入部分からしてみても、怪奇を究明したいと思わないし、
攻略したいキャラもいないし、妹の魅力もルートに入るまではなりを潜めているため、プレイ自体が億劫に。
魔妹あたりが楽しめたのは確かですが、ちょっち背景が足りませんでした。

 イマジンさん、ツェツィ役で鍛えられたのか、演技にイマジンさんらしさが消えました。
(アトリエの声優陣、キャラ作りにキッチリ指導が入るようで、名塚さんからしても大変だった模様。)

余韻度 3点
 うーん……キャラゲーとしたら悪くなかったのですが、スパイスとしての伝奇は失敗しています。
音楽も、魔妹も良かったし、褒めるべき点が多いはずなのに、プレイ気力が沸かないし、PARA-SOLに色々持っていかれて無念。

 どこに書こうか迷ったけど、水着を褒めるシーンの選択肢の内容で、
声付きなのに10個ほど分岐するのは、ライターの遊びが見れて良かった。

総評 D
 内容的にはCなのですが、コスト的にも、点数的にもDは揺るぎません。
立ち絵の少なさ、絵の悪さ、演出の貧弱さ、ワイド非対応、からしても、フローチャート以外は残念部類です。
未完だったPARA-SOLに負けているのは皮肉なもので、
シンセミアは完結しててきっちりエロゲーしてますが、廉価版な風味でした。

 フローチャート付きのこっちは悪くないのだけど、
AKABEiSOFT2は開発力と予算が足りません……

 コンチェルトノートに絵以外大敗を喫したのが問題で、プレイユーザーの落胆は激しいのではないでしょうか。
前作は、主人公に萌え、ヒロイック幼馴染に背中を任せられましたが、今回は誰もいませんよ。
ただし、シンセミアは、圧倒的なロリ属性を有しており、○学生をそのまま攻略できるのが強みか(ぁ



posted by PP at 00:29 | Comment(7) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちょっとプレイしたいと思ってたんですがやっぱり期待を裏切ってくれたようですね。
最近のあかべぇのダメっぷりは何なんでしょう。
個人的にはコミュ以降に発売してるものはみんな面白くなさそうな気がします。
Posted by まさ at 2010年07月29日 22:54
>>まさ様
えーっと失礼ですが、未プレイであるにも関わらず、ここの管理人さんのレビュー一つで「良作」「駄作」を決めるのはいかがなものかと^^;

価値観は人それぞれですから・・・
僕はシンセミアは十分期待通り楽しめましたし、世間的な評価(エロゲー批評空間のことなんですがw)は上々ですよ。

だからといってもちろんここの管理人さんのレビューに不満を言ったりはしませんし、十分楽しませていただいております。というか、色々な人の感想をみるのはやっぱり楽しいですよね。
ここの管理人さん見たいな論理的な見方?は僕には到底できません・・・w
横槍(?)失礼いたしました。



あ、あと、管理人さん。よかったらレビュー待ち投票にセカンドノベルも追加していただけたら嬉しいかも・・・
僕はプレイしたんですが、そこそこ楽しめましたよ。シナリオは正直意味不明でしたがw
Posted by 透明人間A at 2010年08月03日 16:07
 意味不明なシナリオのゲームを勧められるとは(汗
今からだと特典が……厳しいかも。

 あっちのシンセミアは付和雷同気味だと感じますが、これは主観かなぁ……。
Posted by 管理人 at 2010年08月04日 01:58
> あっちのシンセミアは付和雷同気味だと感じますが、これは主観かなぁ……。

主観以外の何者でもないかと。批評空間以外の各所レビューサイトの感想やTwitterの感想を見ましたが、高評価してるところが多いですよ。

もちろん、管理人さんがつまらなかったという感想が否定されるものではないと思いますが、

> コンチェルトノートに絵以外大敗を喫したのが問題で、プレイユーザーの落胆は激しいのではないでしょうか。
前作は、主人公に萌え、ヒロイック幼馴染に背中を任せられましたが、今回は誰もいませんよ。

で、勝手に「大敗」だの「プレイユーザーの落胆は激しいのでは」だの言っちゃうのはいかがなものかと思いますよ。少なくとも、各所のレビューを参照する限りでは、コンチェルトノートに比べて全体的にクオリティが上がっているという評価が多いです。

ついでに言うと、

> 公式に書いてあるからいいますが、怪奇の象徴である山童(やまわろ)がOPから登場するのに、
その危険区域である森にずんずん進む主人公や、肝試しとかやっちゃう登場人物たち。

シナリオをちゃんと読んでればわかると思うんですが…。山童が登場した後、村人たちによる山狩りが行われてひとまずの安全は確認されたので立ち入り禁止は解除されてるわけです。怪物を積極的に探しに森や山を歩き回るのならともかく、森に行くだけで即危険と言える状況じゃないわけですよ。そういう細かいツッコミポイントに関しては結構作中でフォローがあるにも関わらず、そういうところは読み飛ばされているような印象を受けます。
Posted by mkz at 2010年08月28日 02:36
 付和雷同と感じたのは、グラフィック項目が主ですね。
書くのは……やめておきます。
作品に目立った荒がなかったのがポイントでしょう。(娯楽の観点で)

 大敗は感想です。
「ではないのでしょうか」がついているので憶測です。
強要も断言もしておりません。
クオリティは上がっています、それは私も評価しています。

 危機感については、主人公とユーザーとの乖離が激しいという結論です。
主人公もユーザーも事件はまだ終わっていないという感覚が持続します。
そうでなければ怪奇究明に乗り出しません。
主「駄目だ、森はまだ危険だ」
他「(嘲笑)、遊びに行こうぜ」
主「このままでは皆が……なら俺が……」
の流れなら納得しましたが、
疑念と物語の未完を抱えた、神視点のユーザーは、
安全確保ができていないことを予想しており、
人外の恐怖を垣間見た主人公の胸中も、ある程度シンクロしています。
なのに、山狩りで得た安心免罪符と主人公の「行動」は、
ユーザーの視点と究明動機から大いに離れたと感じました。
Posted by 管理人 at 2010年08月28日 03:27
「大敗」「プレイユーザーの落胆は激しいのでは」などの表現については、管理人さんの憶測ということで了解しました。表現が客観を装ったような書き方に見えたのでどうかと思ったのでしたが、穿ち過ぎでした。これについてはすいませんでした。

ただ、危機感についてはやはり同意できないですね。まず、安全か危険かというのは0か1かではなく、程度の問題だと思うわけです。主人公は山童という得体の知れないものに遭遇したわけですが、幽霊みたいに物理的な距離を飛び越えたりするものではなく、あくまで物理的実体を持ったものとして描写されてるわけです。その上で、山狩りをした結果、それ以上のものは見つからなかったわけで、とりあえずの危険は去ったと考えるのはおかしな判断ではないでしょう。もちろん、それは「完全に」安全である事を意味しませんが、完全に安全でないなら行動できないというのなら、そもそも熊が普通に出没し得る山に入るなんて事自体出来ませんよね。
Posted by mkz at 2010年08月29日 00:07
レビューを見て最初に思ったのが単純に管理人様の肌に合わなかったんだろうな、という事です。別に貶してる訳では無く、嗜好の違いとでも言いましょうか。
私個人は涙脆い面も相俟ってサブヒロイン以外全てのシナリオで感動出来ましたし、涙も鼻水も酷い在り様と相成りました。
燃えが足りないのは仕方無い……と言いますか。この作品自体が“絆を受け継ぐ純愛ADV”ですから、充分今作はそのコンセプトを満たしていたのではと思います。信頼を置ける親友役は魔妹が受け持ってるも同義ですから。
危機感が無いの件は賛同は致しかねますね。最初の遭遇は翔子を助ける為に已む無く森の方に行った訳ですし、その後の展開も規制中には入っていません。本格的に入る際にも確り銀子さんが付き添いでいたりするのですから。
川遊びはそもそも事故の記憶が朧気で殆ど人からの伝聞形である事も相俟って仕方が無いかと思います。それに川自体にはちゃんと対策を取ってありますからね(数メートル置きに縄を張ってある)。
後は怪奇説明の所は確かに少々説明不足な点が見受けられましたが(°Д°)ハァ?となる程では無かったかと。羽衣の説明部分を今一度読み直してはみると分かりますが“念じれば消えます”の所も理に適っていますよ?(あくまでゲームの中で、ですが)
最後に、管理人様のレビューはとても好きですので無理をなさらぬ程度に頑張って頂けたらと思います。長々と失礼致しました。
Posted by Scarecrow at 2010年10月24日 10:39
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。