2010年06月04日

置き場がない!

置き場がない!
置き場がない!
メーカー あかべぇそふとつぅ発売日 2010/05/27
シナリオライター 健速 原画 有葉、ikki(
置き場がない!

レビュー
シナリオ グラフィックス 音楽 文章(力) システム 熱中度 余韻度
2点 3点 4点 2点 2点 3点 2点
総評 D 50

一言で締めるのコーナー
「予算もない!」


以下詳細レビュー
シナリオ 2点
 一言でいってしまえば、【C〜B級ロボット物】で落ち着いてしまう作品でした。

 昨今の著名なロボット物といえば、装甲悪鬼村正やオルタとなりますが、
きがないがC級なら、村正がA級、オルタがS級と称せるでしょう。
ロボット系は演出面に荷担する部分が大きいので、Nitroやageとあかべぇを較べることなかれ、とは確かに思うのですが、
きがないは、シナリオ面で“も”、後者二つに大きく遅れをとっていました。

 【ストーリー】
隕石との衝突事故で地球へ墜落したヤルセナイザー(頭身20m)。
墜落のダメージで宇宙へ帰れないヤルセナイザーを家で匿うことにした主人公。
敵は住宅事情! 様々な近隣苦情が主人公らに押し寄せる。
そんな中、ヤルセナイザーの中から、彼を兄と呼ぶ、生体コンピュ−ター、シャノンが現れる。
以降、彼女とヤルセナイザーを巡る珍騒動へと発展する。

 ストーリー的には概ね上記の通りなんですが、
共通ルートが、【住宅事情】→【生徒会事情&地域事情】→【先生事情】の三つの事件で、
ヤルセナイザーの所有権を巡る争いが描かれるわけです。
(ここで倫理感に憤慨した場合は無理だが)シャノン登場後は、それなりに面白い部分があります。
ヤルセナイザー視点とか、アポロの中の人の熱演とか。
今後の展開に期待できるような内容が盛り込まれており……三つ目の事件では、ラストバトルでまさか……
と期待するようなシチュエーションだったが……ほとんど意味を成しませんでした、ね!!

 個別シャノンルートは贔屓版で、通常個別の約3倍。 皆が求めていたヤルセナイザー編でもあります。
ところがどっこい、予定調和なお話・反戦意識・クオリティ不足がハーモニーを奏でます。
隠しキャラクターが2名&1名出ますが、攻略できず……立ち絵ないキャラも。 また、お約束のシーンもありません。
キャラへの感情移入度も低く、シナリオの比重が他個別と異なり、シャノンとのクッツキ方&時期は違和感絶大。
いつの間に好きになったの???? でした。
その他、合衆国さんが出たりなんかしますが、きがないの作風から、『なんちゃって戦争』臭がぷんぷんしてポカーンでした。
いいぞ、もっとやれ!と思ったのは、モブキャラクター達がヤルセナイザーを庇ってくれた時だけでした。

 他個別ルートは、【固有イベント(起承転)】→【えちぃが二回連続(結)】でそのままエンディングです。
短い!! 共通5、6時間としたら、各個別1時間といったところです。
恋人になるまでの甘酸っぱさを焦点にしているため、ラブコメとしては普通。
むしろシャノンは恋人になった後を焦点にしていたため、こっちの方が入り方が自然なのは皮肉なものです。

 まとめると、
ギャグ基調のため、シリアス展開が滑稽 → ギャグはスパイスにして欲しかった。
キャラ“同士”の掘り下げが足りない → 共通ルートに盛り込んで欲しかった。
全体的に短い → 予算がなかったんだろう……
“ラブ”コメが足りない → 無謀な試みだったんでしょう。
熱さがない → まず主人公が無理でした。
ロボットアクションがない → ちょっとだけあったよ!!
ロボット物じゃないよ! → ラブコメでもないよ! → じゃぁ何?

グラフィック 3点
 いつもの有葉さんで安定感はありますが、見慣れてくると粗は目に付くようになります。
旧作陣の手のでかさは払拭されましたが、構図とか四肢バランスとか……でも美しいですね。
しかしながら、ラベンダーの方に尽力しているのか、立ち絵総数が少なく、12人程しかいません。
主人公の部活の先輩3人組や、シャノンルートの某隠しキャラぐらいは欲しかったです。
また、キャラCG総数も少なく、ヤルセナイザー系・SD系の画像に半分以上持っていかれています。

 ikki氏原画のヤルセナイザー他は、デザインが簡易ながらも、勇者シリーズオマージュらしい良さが有ります。
人物CGが後半に固まっているため、ヤルセCGが大量に投下され、作品のメリハリに大貢献。
ただし、やっぱり簡易どまりで、優美な機械的一枚絵はなく、アニメチックなそれは、
良くも悪くもデフォルメ的ヒーローロボットであり、後半になればなるほど顕著になってゆきます。
3Dにした村正やデモベは予算的に正解だったのだろうし、オルタは底力が違いすぎました。
一枚絵に頼りきりなあかべぇの開発力のなさが伺えます。

 
音楽 4点
 tiko-μ氏単独?
総数79、内タイアップ原曲9曲。
あかべぇ、いつも通りの破格のボリュームです。

 しかし、いつも通りなので、似たような曲調が多く、使い分けに困ったと思われます。
出番が一回しかない曲も多数。
車輪と違って良曲が少数です。 アレンジ以外だと、何が正しいのか、VS新たなる始まり、ぐらいでしょうか。
うぇ〜いくあ〜っぷっ!! はロボ物としては好きです。

 まぁ、今作のお株は、全て福山芳樹氏の獣になれ!に取られているので、他に語ることはありません。

文章(力) 2点
 うあぁぁぁぁぁぁ、銀ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!
ドゴォォォォォォンン
という2行だけで概ねこの作品のテンプレートは回収いたしました。

 健速氏のイメージからは離れた今回のコメディ。 氏も作風を作るのに苦労したのが伺えます。
結果的に、10年ほど前のノリだけで進むギャグ調とテンプレ叫びで構築されてしまったわけですが、
声優陣のおかげで不快感はあまりありません。 むしろ、クスっ、とできる部分もあった“かも”。

 今作の問題点で、まず最初に出会うことになる点は、
【超展開を許容するキャラクターを許容できるか】という点でしょう。
世界観が現代というのがそれを許容できないのに拍車をかけており、
頭身20mのロボットを家で預かるという主人公・ただ単に置くのを反対する母、
町を闊歩するロボに、数瞬だけ違和感を抱く登場人物・器物破損は完全スルー他。
ギャグなので許せるか、と問われたら、イエスマムなのだが、後半のシリアスに繋げるには手落ちすぎます。
完全なステルス機能(M9とか)で秘密裏に匿うとか、町中の人々を説得するとか(勇者シリーズ)
政府関係者が友人だとか、マスメディアを味方につけるとか、方法はたくさんあったのでしょうが、
それら全ての心情描写を、主人公からして放棄しており、私は許容できませんでした。
ここは綿密な掘り下げが欲しかったし、そういう世界観を提示して欲しかった。

 次は倫理感でしょうか、
町を闊歩する際、大量破壊を行い、町を大恐慌に陥れます。 酷いもんだ……無知無垢だからといってユルセナイザーでした。
(作中、人を踏む・器物を破損・足元のアスファルト破壊等の、ロボにリアルについて回る事柄の描写があるため、悪く浮き彫りに)
それはただの序章にすぎなかった……
本当に倫理感ぶっとんでたのは、主人公の知人達だった……
親友を売る銀ちゃん(後に弁解有り)、擬似拷問する幼馴染、武力制圧を試みる会長(一応弁解有り)、
同じく武力制圧を試みる地域振興課、人質・武力行使する先生。
どれだけキャラクターを貶めれば気が済むのですか……。
襲われている方(主人公&ヤルセ)はたまったものでないはないでしょう。
他人の痛みの分からない知人たちには辟易しました。

 最後はキャラクター同志の絡み掘り下げが後半に集中していたり描いていなかったこと。
ヒロインズは選択肢とかで、過去話が挿入されるが簡素でいまいち。
ボーイミーツガールはシャノンだけであるが、彼女との掘り下げはえちぃ後という意味不明さ。
銀ちゃん……なんで親友なんだろう……
視点変更型一人称なのに、この脇の甘さは何だったんでしょうか?

 ただ、これらの問題点は、この作品を『コメディ型勇者シリーズ』であると捉えた場合、払拭されます。
概ね、それらのシリーズでは、ロボ許容はセオリーですし、ギャグテイストなら多少の町破壊は許せます。
た だ し、 今作のシリアス方面は、滑稽なリアル路線であり、主人公の一人称間でリアルロボ事情が流れます。
これじゃあユーザーは、物語を、リアルに捉えたりギャグに捉えたりと右往左往するはめになり
一貫して楽しめないため、感情移入もできません。

システム 2点
 KIRIKIRIだったんだ……あかべぇ……
C++の所を見習ってくださいとしかいえませんが、演出・コンフィグ・ユーザビリティがロープライス商品並です。

 特に演出面が酷く、遠近表示2種類のみ・ヤルセナイザーは一枚絵に頼りきりといった具合です。
立ち絵が縦横無尽に動くからコスト削減ができる=ADVゲーム がこの業界の根本です。
だのに、ヤルセの立ち絵が存在しないとか……ロボット物をやるには早すぎた感があります。会社的に。

   
熱中度 3点
 プレイ時間が10時間未満なのでそこそこ楽しめます。
中盤のノリがライダーなのに、笑えない要素多数ですが、ちょっとした小ネタでホワっとしたりウルっとしたり、
ヤルセナイザー繋がりでは、飽きはあまりありませんでした。

 今回、収穫だった点は、みるさんが巧かった……シャノンに愛を注いでいるなぁと感じられたことです。
ギャルゲーマーともなると、メイン級の4人中3人の声は脳内インプットされていて拒否反応が出る場合が多いと思います。
みるさん、有栖川さん、草柳さんの3人。 後者二人は役レパートリー通りで違和感大。
3人とも独特の声色なので、悪い意味で覚えやすく、特にみるさんは出演数が多いので危険信号出てましたが、 シャノンというキャラクターを演じようという気概がひしひしと伝わってくる演技であり、感服しました。
あとアポロの中の人はこちら向きの声してますねw

余韻度 2点
 シャノンルートを最初にプレイしたため、もっぱら消化不良に。
というより、作品自体の完成度が低く、ギャルゲとしても、ロボものとしても落第点でした。
熱くなれるのはやっぱりバサラの歌唱シーンですが、共通のあそこで使ったのは大きな損失。
2曲目隠しであるかと思ったけどそんなことはなかった。

総評 D
 どうしたら良いのか分からない作品です。
コメディとリアル&シリアスの配分がユーザー負担になりました。
本当に、特装版的にも置き場がありません。 どうしろいうねん。

 この作品は、低予算で作られている事が見て取れますが、開発力のなさもそれに相乗しています。
一番予算割いているのが、バサラとフィギュアと音頭かもしれません(汗

 噂の健速氏ですが……酷評してきた私ですが、アリだと思いました。
いい意味でライトな出来になっており、作風も完全コメディと捉えれば満足できます。(私は捉えれませんでした)
問題は長さ。 作れたであろう要素が圧倒的に足りていないのは氏の特徴ですが、今回は会社の事情もあったのでは?
もしくは、新しい試みに途中で心折れたのでは? と思わなくもありません。
ヤルセナイザー関連の話は、小粒だが良質なイベントが存在しており、涙腺崩壊を狙えたはずです。

 以下妄想。
ヤルセナイザーが某クリスタルワープ辺りで檜山さん的な声でしゃべって「あとはまかせろ!!」と言ってくれる。
銀ちゃんが○○○ナイザーで助けに来てくれる。
そのあと逝って良し。おいしすぎる。
ヤルセナイザーが某機体と合体する。
某機体が一緒に戦ってくれる。 というか某機体と一緒に反○○編へ。
つまり3勇者終結!!
地域の住民達が盾になってくれる。 おもにあの少女とか。
いや、むしろシャノンルートでヒロインズが盾になってくれ。出番あげろ。
電波ジャックして世界中に呼びかけるとか。
最後は闘え応援団のラスト曲な展開がいいなぁ。
最初はやっぱりヤルセナイザーに缶を投げつけるとか、大衆描写が欲しい。
隠しルートはもちろんグレースルート。
というかヤルセナイザーが○攻撃を体を張って防いだ後、グレースルート。
自爆。 死ぬほど痛いぞ。
ニュータイプ。 覚醒。
「先に行け!!」
「エネルギーが足りない! あと少し足りない!!」
「ファイナルフュージョン承認!!」
「俺たちがヤルセナイザーだ!」
「地球のみんな、オラに力を分けてくれ」
つーか、ここまではっちゃけた作風だったら、機神飛翔の一歩上のネタや、お約束ネタばっかりでも十分ウケたでしょ……
つまり、音頭中の健速氏の勢いで作ってよかったと思います。(パロ重視で良かった)
今思うと、ユミナってロボものだけど、かなり頑張ってたんだなぁ



posted by PP at 19:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここにかくのもなんですが、「素晴らしき日々」はどうでしたか?

僕はかなり楽しめた方(PS2のひまわりの方が面白かったけど)なのですが、管理人さんの感想にも興味があります。
Posted by 透明人間A at 2010年06月03日 22:03
 すばひびは、発売日に買って未だに最終章ですけど、B以上じゃないでしょうか
……既に結果が提示されてるのでクリックが進まないや。
由岐姉ぇ……

 PS2版がホッシーじゃなかったらなぁ……結局PSPでやってますし……
Posted by 管理人 at 2010年06月04日 04:17
某所の高評価連発とタイトルと健速に騙されて買ったけど管理人さんと同じような感想を抱きました・・・・
まさに置き場がない。もう少し早くここチェックしてればよかった・・・
Posted by がむ at 2010年06月06日 23:41
 健速氏という「ブランド」が叩きにくいのが、ギャルゲユーザーの心情でしょう。
 好きなライターを批評したくない気持ちはよく分かりますが……ね。
Posted by 管理人 at 2010年06月11日 01:55
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