恋色空模様 | メーカー | すたじお緑茶 | 発売日 | 2010/03/26 |
シナリオライター | 氷雨こうじ | 原画 | るちえ、広瀬まどか |

レビュー | ||||||
シナリオ | グラフィックス | 音楽 | 文章(力) | システム | 熱中度 | 余韻度 |
2点 | 4点 | 4点 | 3点 | 5点 | 4点 | 2点 |
総評
C:
60
|
一言で締めるのコーナー
「システム緑茶」
「システム緑茶」
以下詳細レビュー
シナリオ 2点 |
8話まで各キャラ紹介コメディ
9話〜18話までがある騒動で、チームを結成し、仲間達と友情を深め、敵に立ち向かう。
1〜18話までが共通ルート。約8割。
19話から23話までが個別ルートとなって、エチぃシーンも全部個別に収縮。
主人公の様々な葛藤がよく分かる構成だし、ヒロインも魅力的で○。
でも、如何せん、ドン引きな厨ニ病設定や戦闘設定とかで、
高校生らしい青臭さが消臭されてしまっています。
(トンファー持って戦う風紀委員の女子高生とか、刀持ってる”だけでは済まさない”最凶女子高生とかetc)
しかも、途中で暴露されるメインヒロインの設定とか、必要あったの!?、と思いました。
流れも唐突で、起承転結の転の部分が極端すぎて、ついていけませんでした。
大概がギャグシナリオなのに、
いきなり君○○む○遠のシリアスシーンが入っても……。(あ、でも、君○も唐突だったか……
素晴らしい演出力が、逆ベクトルに作用してしまった作品でした。
個別シーンは、本当に“個別”シーンでしかないので、好きなキャラ見たら、このゲームは終了です。
そこに、テーゼはさほどありません、短いですし。イチャラブは及第点です。
グラフィック 4点 |
デフォルメキャラクターも可愛らしく好感が持てます。
立ち絵も豊富で、システム面との相乗効果が絶大です。
後ろ姿も有
気になった点は、一番のロリータキャラクターが主人公だったこと!!
立ち位置的に、マジ恋の軍師ぐらいだと思ったのに、何ですか? あのショタキャラはw?
音楽 4点 |
付和雷同ですが、恋空の音楽項目の強みは、ノンボーカルBGM42曲のクセのなさでしょう。
無論、EmotionやCrusaders!といった良曲も揃っていますが、
全てのBGMが、ADVのBGMとして崩れない、メロディラインのしっかりした、小粒揃いの音楽達です。
プレイしていて、音楽に鳥肌が立たないのは遺憾なことかもしれませんが、
これはこれで、しっとり感があります。
惜しむらくは、ゲームの雰囲気的にも、劣化版こんにゃくに聞こえてしまう点か……(あっちも4点だけど
文章(力) 3点 |
心境すら台詞です。全部台詞です。一人称です。
台詞枠が中央に来る事(状況説明)が滅多にありません。
それで、まぁ、こうなると、キャラクター造詣のセンスが文章力に直結するわけです。
感想としては、幼馴染のアホ3人(ヒロイン含む)は、際立って良いのですが、
組み込まれる主人公が、肉体が貧弱な、キレ者設定ということで、立つ瀬のなさを感じました。
他キャラクターも、それなりに破天荒さがありますが、ハッとする言い回しはありません。
魅せるしゃべりではなく、萌えるしゃべり、と言うのが正論でしょう。
問題は、私自身が萌えなかったことか(笑
唯一、キャラクターで好きになれた(気になったのは)、
嫌悪されているという“カタルシスステータス持ち”の義妹だけ。
もう、暴虐金髪ツインテールや、天然生徒会長とかは無理でした。
そりゃまぁ、あのシーンとかで、
金髪ツインに『無視すんなやこらーっ!!』ってタックルされたら惚れたけど……※1(ぁ
システム 5点 |
高クオリティの最速システム
軽い、巧い、広いw、の三大能力を兼ね備えた、システムスクリプト。
戯画がユーザビリティ、ageが超クオリティとしたら、緑茶はその間をとった感じです。
1024*600の16:10ワイド表示の画面もさることながら、
立ち絵と台詞枠の表示自由度が卓越しています
まぁ、これはageにも言えるレベルの事なんですが、緑茶さんは、
おまけの、立ち絵鑑賞で、D&Dで、立ち絵動かせます!!
いや、普通に驚愕しました。 別にD&Dは使い勝手的な意味で付与属性なんだけど、それ以前の段階で、
立ち絵をレイヤーに分けながら、X軸・Y軸・Z軸(拡大率)・角度・透明度とか、ユーザーが自在に操れる“おまけ”を用意したこと。
それでもう、開発の土台の強度が分かりました。感服です。
そのシステムのおかげ、ゲーム中、立ち絵ブンブン動いて、全く飽きません。圧倒的な演出力です。
影響として、三月購入した二本のうち一本、プレイ気力が奪われました(素晴らしき日々)
それほどまでの威力でした。
問題は、この能力がデフォルト設定という事でしょうか。
他の自由度が低く、文字表示速度やオーディオ設定といった当たり前の設定しか変更できません。
デフォルトの時点で必要十分な能力があるというのも考え物です。 演出もスピーディーで変更の必要もないし。
特異な点は、アクションゲームが本家なので、コントローラー入力ができるといったぐらい。
戯画的な文章カラー設定とか、age的な行間設定とか、そういった細かいものはありません。
その分、システム設定は簡素で分かりやすいのも特徴です。
軽くて使いやすいので、私は大満足でした。
熱中度 4点 |
キャラクターも好みさえあれば萌えれますし、幼馴染グループが面白いので。
ただし、9話以降は賛否両論。私も否定派か……。
それなりに強制スキップ使用しましたが、φageのように、狙ったかのような失敗作ではなく、
高クオリティの、(緑茶的に)入魂の一作なので、魅せられるときは魅せられます。
システムの軽さじゃなくて、シナリオ的にライトに楽しめる分、途中のシリアス展開がショックでした。
余韻度 2点 |
というのがユーザーの大半の意見でしょう。
共通ルートの大半を占める、その問題提起で盛り下がったのは自分も同じ。
転の部分は純粋に個別に充てて、
承の部分は、学生ならではのイベントに置換するという安直な発想ですら、
今回のシナリオより高評価を得られたのでは? と思ってしまいました。
個別は一時間もなく終わってしまい、そのシステムの軽さ故か、
EDすらEnter連打orCtrl押しっぱでぶっ飛ばされるので、
余韻も何もありません。
このレビューのために、EDを確認しようと思って見たEDが、
“初めて”スタッフのテロップを見た瞬間だったのが妙に笑えました。
総評 C |
素晴らしき日々をプレイする予定・プレイ中、の方は、絶対に恋空はプレイしないように!!
戻れないから……恋空圧倒的じゃないかポカーン……で絶対他のゲームは手につきません。
巷で言われているほどには内容は悪くなく、純粋なエロゲーとしては微妙な位置だけど、
演出が他を圧倒してて、なおかつ、Purple software や φage の作品より地力があるっつうか、
面白い作品創ってます!! という気概が感じられるので、
エンターテイメント萌えゲーを所望なら◎。 買って損はないレベルです。
何より、プレイしていて、エロゲー界の光明を見た!! な感覚になれるのは奇特。
インターフェイスやスクリプトが、ゲームを魅せる大要因になった、模範すべきゲーム。
珍しく、シナリオやキャラや原画をスルーしてもいいと思いました。
(恋空はそれぞれの項目が及第点付近だったけど)
とにもかくにも、他のゲーム会社さんも、16:9か16:10でお願いします。本当に
開発初期段階なら一瞬でできることなのに、実装しているとこが少なすぎです……
※1とある魔術の禁書目録5巻の有名なシーン(ご存知、脳内変換は佐藤利奈さんで)